【レトルトカレーの横道 1皿目】いちごのカレーピンク それは境界線ギリギリを攻めたカレー
またも新シリーズです。
レトルトカレーの横道とは、興味本意で買ってそのままになってたレトルトカレーを食べてレビューしてみようという行き当たりばったりな企画です。変わり種のご当地レトルトカレーや、スーパーやコンビニではあまり見かけないようなレトルトカレー、さらには見て明らかに危険だとわかる「見えてる地雷系」レトルトカレーなど、普通の道からちょっと横道にそれたものを取り上げていきます。
実はいくつかあるストックの中にすでに見えてる地雷系がいくつかあって、なんでこんなもの買っちゃったんだろうと今さらながら思ってます。どんなものかはまだ秘密ですがおいおい紹介する予定です。ただし食べる覚悟はまだ決まってません。
それでは気を取り直してまして・・・
記念すべき1皿目はこちらです
いちごのカレー ピンク
はい。初っぱなからイロモノです。
去年宇都宮に行った時に見つけて、あまりにも強烈すぎる見た目に気圧されて買ったものです。
裏面を拝見
原材料名にもしっかりイチゴピューレと書かれていますね。それ以外の原材料はまともなはずなのにたった一つの異質が混入するだけでここまで変わるのだから驚きです。そもそもイチゴとカレーの共演ってNGそうな気がするんですけど大丈夫なんでしょうか?
ちなみにこんなきわどいレトルトカレーを販売しているのは栃木県日光市に本社をおく(株)永井園。
永井園はご当地にちなんだオリジナルのお土産を製作している企業とのことですが、どんなことを考えてこんなきわどいものを作ったのでしょう。しかもサイトをのぞいてみるといちごのカレープレミアムなるものまでありました。これよりもさらに上があるなんて奥深すぎて直視できません。(当然ですが一部が奇抜なだけでまじめな商品ももちろんあります)
・メルヘンチックカラー
ここまで来たら後には退けないのであたためて盛り付けます!
いやーメルヘンな色してますね。ピューレなのでいちごが物体を維持したまま浮いたりはしていません。その代わり赤く着色された鳥肉が浮いていて、それがえもいわれぬカオスな雰囲気を出しています。きっと夢の世界で食べるカレーライスはこんなファンシーな色をしてるのかもしれませんね。(現実逃避)
ピンク色のカレーというのはよく言えば常識や先入観にハマらない前衛的なカレーで、悪く言えば歯医者で歯型をとるために使うアレみたいな色したカレーです。食べる前から食欲ゼロになりそうな表現で申し訳ないですが、盛り付けてから少しの間食べたい気にはなれませんでした。見た目がすでにイロモノで、フルーティーな香りの中から程よく香ってくるスパイスの匂いを嗅ぐとどうしてもためらいたくなっちゃいます。
でも見た目にだまされちゃいけない。
まずはすくい上げてみます。
青色よりは食欲は出るけどやっぱりなぁ…
何年か前に食べた流氷カレーのことを思い出しながらそんなことを考えます。
数秒ほど頭の中で思考を回し、それが無意味であると悟ると思いきって口の中に入れてみました。
すると……「あっ、思ったよりいける!」そんな言葉がこぼれました。
・意外とあっさり、そしてさわやか
系統としては甘口カレーに近く、辛いものが苦手でも普通にいける味です。いちご由来の甘味や酸味でもっと禍々しい味になると想像していましたが思ったよりもあっさり。実際は程よく混ざり合っていてお互いケンカすることなく同居。普通の甘口とは違ってフルーティーで爽やか。カレーなのにどこかデザート感のある不思議なカレーとして仕上がっています。
普段は相容れない者同士の組み合わせを許容できるかどうかで評価が分かれそうですが個人的には許容できます。と言っても本当に境界線ギリギリのラインでです。この色でもしカレー味の方が強かったら途中でギブアップ宣言してたかもしれません。ある意味ピンク色だったから許容できた、そんな気もします。
・良い点悪い点
良い点は先入観を壊してくれることや「こんなカレーがあるのか!」という発見があることで、悪い点は(味そのものは置いておくとして)具があまり入ってないから食感がワンパターンなところでしょうか。野菜の食感を楽しみたい人には少し物足りないかもしれません。
いちごのカレーピンクは見た目も味も万人向けではないですが変わり種の中では比較的ハードルが低いので、変わり種にちょっと興味のある人にはオススメです。もしも色が嫌な場合はピンク色ではないいちごのカレーがあるのでそちらを食べるのがいいと思います。
今回は面白い発見になりました。でも二度目はいいかな。